山陰の小京都・津和野を満喫

旅行(宿泊)

萩と津和野というのは国鉄の時代から観光地として有名な場所。
1度は行ってみたいと思いつつ、これまで未踏の地。
まだ宿泊したことのない数少ない県の1つが山口県。
萩は山口県で、津和野は島根県だから、ひとまとめにすること自体不思議な感じ。
この辺りを観光するなら、益田郊外の萩・石見空港からレンタカーというのが一般的なんだろうが、松江からとなると萩は遠いし、直接行ける特急もない。
ということで、萩は別の機会に行くとして、今回は津和野。
山口線の1両の各駅停車が津和野駅に到着したのが12時4分。
まずは、駅前の「かまい」なる貸自転車屋でレンタサイクル。
実際に街を歩いてみると、たぶん自転車は借りなくてもよかったように思うが、イメージで津和野=レンタサイクルだったので、迷わず突入した。
このお店、自転車の数は多いし、最大でも800円というの料金がリーズナブル。
借りるときに都道府県名と名前だけ書くというのは、さすがに簡素すぎる気がするが。

時間的にまずは昼ごはん。
これは、後日別記事に書くとして、「うずめめし」なる名物を食べた。
食後は店の前にある、日本遺産センターへ。
津和野が日本遺産に指定されたのを機に作られたようで、展示も分かりやすくて良いのだが、他の観光客がほぼいない。
おかげで係の人が個別に解説してくれたのだが、このあたりから観光客の少なさを実感。
その先は古い伝統的な建物が並んでいて、日本酒の蔵やお菓子屋もたくさん。
日本酒は試飲もさせてくれるのだが、一応自転車なのでパス。
お菓子は源氏巻きというのが名物のようで、色んなお菓子屋に独自のものが置いてある。
特に「沙羅の木」という森鴎外の作品にちなんだお店は手広く商売をやっていて、観光バスが着いた直後ということもあって、大勢の観光客で賑わっていた。
「沙羅の木」の前がカトリック協会。
この地にもキリシタンの歴史があるらしい。
ここから先は殿町で、松江にも殿町という一帯があるのだが、津和野はしっかり観光地として整備されており、藩校養老館跡、郡庁跡、津和野藩家老多胡家表門など多くの史跡が集中していて、大きな鯉もいた。

だんだん自転車の乗り降りが面倒になり、ここから一気に森鴎外記念館へ。
森鴎外(林太郎)は津和野に産まれ、10歳まで津和野に育ったらしいが、まるでそんな知識はなかった。
その後上京し、ドイツ留学を経て軍医として出世しつつ、明治の文豪として後世に名を残したが、死ぬまで津和野に戻ることはなかったらしい。
「ヰタ・セクスアリス」を読んだことはないが、津和野でのことが書かれているらしいし、 死に及んで「石見人森 林太郎トシテ死セント欲ス」という遺言を残したとも言われている。
それにしても、昨年は青森で太宰治記念館、今年の夏は芦屋で谷崎潤一郎記念館、そして津和野で森鴎外記念館と、すっかり日本文学づいている。
たまにはじっくり日本文学も読んでみるか。
森鴎外記念館を出ると、しばしサイクリング。
引き返しても良かったが、時間はたっぷりあるし、少しでも動いた方がいい。
向かい風に苦しみつつやってきたのは、 流鏑馬で有名な鷲原八幡宮。
静かで厳かな雰囲気だが、ほぼ観光客はいない。

ここで駅方面に引き返すが、追い風になって自転車が気持ちよく進む。
途中津和野城跡が高台に見えるのだが、さすがにしんどそうでパス。
行けば素晴らしい景色があるのは分かっているが、ちょっと傾斜が急すぎる。
自転車で廻るスポットとして最後にやってきたのは、 太鼓谷稲成神社。
ここは少し坂を上るので、自転車を押さなければならなかったが、社殿が立派で千本鳥居もある。
眺めもよくて、さすがは観光バスもやってくるような人気スポット。
駅へ戻る途中で、SL山口号が津和野を出る時間になったので、一瞬だけ撮り鉄に。

冷静に考えれば、津和野駅まで戻った方がいい写真が撮れたような気もするが、他にも写真を撮っている人がいたので、ここはここでいいスポットだったんだろう。
今回SLも乗ってみたいと思い、何度かシミュレーションしてみたが、さすがに時間がなかった。
山口まで行って戻ってくるのも大変だし。

自転車は4時間弱で返したので700円。
でも、まだ4時でホテルに行っても時間をもて余すだけ。
残していた場所として、乙女峠マリア聖堂へ。
津和野駅の裏側で、100メートルほど階段状の山道を上ったところにある。
明治初期、長崎浦上からキリスト教の改宗のために153人の隠れキリシタンが流人としてこの地に送られ、37人が殉教したそうで、この殉教の地に昭和26年に建てられた聖堂とのこと。
今日は自転車だったので、ほぼ歩きはなしだったが、ここで一気に体力を消費。
これで本日の観光は終了し、駅から10分歩いて宿泊先の津和野ホテルへ。

駅から見えるホテルだが、少し高台にあって、ちょっとしんどい。

着いてしまえば、もう外に出ることはない。結局津和野にはコンビニすら見かけなかったしなあ。
そんなこんなで、思い付きで実行した津和野旅行だったが、長いけど充実した1日だった。

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