胴上げ

現所属最終日。
もはや仕事がどうとかいう感じではない。
一番大事な仕事は、水曜日に買ったお菓子を配って、お別れの言葉を告げること。
もちろん、荷物を片付けて新所属に持って行くということも重要だが、昨日までにだいたいの準備は出来ている。
昼過ぎには、１０分もあれば残りの荷物を詰められる状態に。
３時すぎに、一番関連のある部署に行って、お菓子を配りながら、十数人に挨拶。
これまで何度も部署を渡り歩いているはずだが、不思議とこうした経験は初めてかもしれない。
いつも、送別される人がやっていることを真似てみただけだが、これはこれでいいもんだ。
戻ってきて一段落したあと、４時３０分過ぎから自所属の人にも同じことを始める。
３０分ほどたったところで５時になり、挨拶の時間。
他の三人がいい話をする中、自分の話が上っ面だと感じる。
３年７ヶ月、この所属で仕事と向き合ってきた姿勢の弱さを強く感じた瞬間。
その後は残りの人にお菓子を配りながら挨拶し、チームの人達には水曜日に買ったタオルハンカチも渡す。
ここ数日、心ここにあらず状態だったが、これで本当に最後を実感。
何せ、チームのメンバーは４月からの対応に向けて最後の準備中。
まさに敵前逃亡だ。
一通り挨拶を終わったところで、次の所属に荷物を運ぶ。
２往復もすれば終わるくらい少なかったが、新所属も４月のスタートに向けてレイアウトの変更中。
一応自分の席もあり、荷物をつめて、端末を立ち上げる。
４月からの仕事も色々ありそうだ。
まあ、それは来週にまわすとして、現所属にもどって、隣の部署への挨拶をすませ、後任者へ最後の引き継ぎをすると、いよいよ最後の瞬間。
この所属は、最後にエレベーターホールで見送ってくれる習慣があり、残っている人が集まってくれる。
そして、まさかの胴上げ。
天井が低いので、ちょっと怖かったが、嬉しい瞬間。
たった３年７ヶ月という期間だったが、気持ちよく締めくくれることができた。
もちろん、４月からも同じビルの中だし、遊びに行くのも簡単だが、ひとまずピリオド。
さようなら。