2016えびす・だいこく100キロマラソン完走記（その４）

【95km（遥堪エイドまで）】
平田町エイドを出ると、すぐに交差点を直角に曲がる。
つまりほぼ100％信号に引っかかるわけだが、エイドに続いて、さらに信号待ちで休んだから、その後走り出したらそこそこ走れるかと思いきや、すぐに歩き出す。
たぶんここから先は200メートルと続けて走ったことはないかもしれない。
雨は相変わらず強くて、ポンチョを着ていてもずぶ濡れ。
デジカメのレンズにも水滴がついたみたいで、うまく写真もとれなくなった。
水たまりも多いし、前にも増して歩道の状態が悪いから、走っても歩いても気分がよくない。
90キロを過ぎた鳶巣のエイドは何とかたどり着いたが、あと10キロと思うと気が遠くなった。
ここはなんとか気力を振り絞って、３分滞在の予定を１分27秒で飛び出した。
少しでも早くゴールして、終わりたい一心。
このあたりは基本的に出雲大社への一本道を走っているのだが、鳶巣を出た後の新川桜土手のあたりだけ、大きな道をそれて集落の中を走る。
前方になぜか集団で走っている人達がいた。
こういう時は集団の方が頑張れるのか、とも思って眺めていたが、その集団はどんどん遠ざかっていく。
その後も基本的には抜かれることが多く、歩いている人が多くても、まーぶーのペースは更に悪いようだ。
このあたりからは「寒いよう、気持ち悪いよう、早くやめたいよう」と呟きながら走っていたような気がする。

そんなこんなでたどり着いた遥堪エイドは、ちょうど95キロ地点。
ここはテントではなくお店のような場所で、座って休むことができそうだったが、ここで座ると立てなくなると思い、我慢。
トイレも行きたいような気がしたが、これまた我慢。
タイムとかは関係ないと思ったが、それでも13時間は切っておきたい気がするし、エイドに長くいても回復しそうにないし。
ここでも食べ物はオレンジ程度で、５分の予定が５分16秒の滞在。
途中からスマホの電源を切っていて、ブログメールを送信する時だけ立ち上げるようにしたのだが、スマホも雨でぬれているからうまく操作できない。
いつもはその場で撮った写真を添付していたのだが、それすらできない状態。
ここではブログにも「なんか気持ち悪いし、雨に濡れて寒気がする」と書いてあった。
なにはともあれ、あと５キロ。
【ゴールまで、そしてゴール後】


13時間はなんとか切ろうと遥堪エイドを出たが、あと５キロを46分弱で走ればいいことは時計を見ればすぐわかるわけで、キロ９分を超えていいんだから、なんとかなると思っていた。
しかし、現実は甘くなく、１キロごとに追い込まれていくようになった。
このレース、キロ表示は５キロごとなのだが、さすがに残り５キロになってからは１キロごとに距離表示。
たかだかい１キロだが、なかなかこれが進まない。
まあこういうのは歩いてしまったフルマラソンでも何度も経験していることなのだが、この時は、強い雨、水たまり、歩きにくい歩道、気持ち悪さ（トイレを我慢？）、寒さ、と色んなものが重なって、ほぼ修行状態。
ほぼ歩きで時々走っているだけだから、１キロごとにだんだん13時間を切るのもギリギリになってくるのがわかる。
この時何を考えていたのか、今となっては思い起こすこともできないが、とにかく早く終わってくれることを祈っていたと思う。

そしてようやくやってきた残り１キロ地点。
そのあたりまで来たら、出雲大社の雰囲気がわかるのかと思ったが、そういうわけでもない。
そこから進むこと数百メートル。
またしても歩いているところで、「あの先を左に曲がってゴールです」との案内。
ちょうど上り坂になっていたから、ある意味歩いているのは当然だったのだが、さすがにそこからは走り出す。
右手に出雲大社の二の鳥居を見つつ、信号は青だったのでわたり、普段は観光客でにぎわう道を進む。
そして100メートルくらい進んだところを右折すると、緑の絨毯のようなものがしいてあり、その先にゴールが見える。


さすがにここは必死に走った。
記録はともかく最後の力を振り絞ったと思う。
ただ、記憶が断片的にしかない。
それでも、手を上げてテープを切ったような気がする。
12時間59分10秒、とりあえずは13時間を切った。
直後に記録証を印刷してもらい、係りの人に万歳をしてもらい、水を飲んだような。
ただ、ゴールをして、うれしかったのか、ホッとしたのか、それとも寒かったのか、この先どうなるのか不安だったのか、どうも記憶が定かではない。
そして、ここから先は、日の出館に行って、荷物を受け取って、風呂に入り、着替え。
そしてバスで出雲市に向かって、ホテルで休憩した後に独り打ち上げと、その日の夜（実際は翌朝か）に書いた記事に続く。
ということで、「2016えびす・だいこく100キロマラソン」の記録はおしまい。