第19回奥熊野いだ天ウルトラマラソン完走記(その９)

エイド26ゴルフ練習場（81.2キロ）までの2.7キロは少しだけ回復したように思う。
走る方向が変わったからか、少し日陰が多いせいか、数百メートル続けて走れる時もあった。
おかげで、キロ７分30秒で設定したところを７分54秒のペースだし、ゴルフ練習場エイドも、２分予定をまたしても美味しい搾りたてオレンジュジュースを飲みつつ43秒とさっさと出て行ったので、15時21分発（15時16分予定）の５分ビハインド。
しかし、回復していたのは一時的で、またすぐに戻ってしまった。

ここまで全く触れていなかったが、このウルトラマラソンは100キロ以外に、88キロと65キロの部がある。
88キロと65キロの部はスタート位置とスタート時間が違うだけで、ゴールは同じ。
ふと気になったのは、このあたりで一緒に歩いている人は65キロの部の人が多いということ。
というか、65キロの人が結構堂々と歩いているので、なんとなくそれでいいような気がしてしまう。
次のエイド27井鹿会館（83.7キロ）を過ぎると、いよいよ７キロの上りが待っている。
それまでに少しでも走るかと思ったが、周りに走っている人が見当たらないという言い訳をして、ほぼ歩き。

なので、この2.7キロはキロ７分30秒の設定に対して８分56秒。
井鹿会館での休憩は１分56秒とほぼ予定（２分）通りだったが、15時46分発（15時37分予定）の９分ビハインドと遅れは広がってしまった。
井鹿会館を出てからしばらくはほぼ平地だが、やはり走れない。
そして「ここから最後の上り７キロ」の看板がやってきた。
時々走っていた人もすぐに歩きに変わってしまう、それなりの傾斜のある坂が延々と続く。
ここからしばらくはキロ10分を想定していたが、とてもとても。

歩くのもしんどいとは、このこと。
それでも、やたらと喋る66キロのグループがいて、なんとかその人達を引き離そうと歩くペースはそれなりに頑張ってみた。
しかし、かえって疲れるし、なかなか離れていってくれない。
なので、意を決して少し立ち止まり、うるさい人達が遠ざかるまで待ってみることにした。
休めば少しは回復するかという淡い期待もあったが、そこは全く無理。
なんだかんだ、この１分くらいでたくさんの人に抜かれる。
85キロ地点は、一番沈んだ状態での通過。

キロ10分で歩けてないことは明白だから、この上りだけで80分～90分はかかるわけで、上り切ったら17時30分を超えているかと思うと、暗い気持ちになってくる。
相変わらず、気持ち悪いし。
次のエイド28新停車場線（86.9キロ）までは3.2キロあり、この間のペースはキロ11分59秒。
エイドでは置いてあった椅子に座って休憩する始末で、２分26秒の休憩はそれでも意を決して出発したつもりだが16時26分発（16時11分予定）は15分ビハインドと、ほぼ挽回不能なところまで来てしまった。
この時点で上りはまだ４キロくらいあるわけで、元気など出るわけもないまま、再び歩き出す。

やはりどうにも胃の調子が悪い。
このままではどうにもならないと、しばらく歩いたところで、おもむろにコースアウト。
とりあえず、胃の中にあるものを出すことにした。
実際のところ、ほとんど何も出なかったのだが、気持ち的には少しスッキリ。
すると、たまたまだが、このあたりがから傾斜がゆるくなってきた。
元々こういう狭い上りは嫌いではないとはいえ、気持ちの持ちようなんだろうが、急坂以外は何となく走れるようになってきた。
エイド29新停車場線②（89.7キロ）までの2.8キロはキロ９分３秒。

久しぶりに設定（キロ10分）を上回り、エイドの休憩も29秒（予定は２分）。
おかげで16時53分発（16時41分予定）の12分ビハインドと、遅れが縮まった。
ここまで来ると、残りの上りは２キロもない。
ほどなく90キロ地点を通過。
再び傾斜の急なところもあり、歩きも混じりはするが、体調はかなり回復。
何と言っても、長い上りがあと少しで終わるという気持ちが大きい。

そして、エイド30南平野三差路（91.5キロ）までの1.8キロはキロ９分38秒と、ほぼ想定どおりのペース。
何とか最大の難関を乗り切った安堵感から、エイドではトイレ休憩も含めて４分18秒（予定は５分）。
エイドの人が冊子を見ながら「調布市から来た〇〇さん」なんて呼びかけてくれて、嬉しかったような。
仕込んでおいた最後のブログも投稿。
結果17時14分発（17時４分予定）は10分ビハインドと、少し遅れを短縮。
さて、ここからラストの下りが始まる。
残りは10キロない。
ゴールは近い。